あがた森魚　morio agata・official site

あがた森魚の今週の日記より紹介してまいります

@■2012年12月31日（月）

太陽系

いよいよ、今年もお終い。
デビューから40年も何をやってきたのか、感謝の気持ちと複雑な気持ち。
日食メガネ、スカイツリー、核のゴミ、復興予算、節電、オスプレイ、領土問題、
ノーベル賞、東京駅、いろいろあったけど、
僕やあなたと対面したのはどのようなできごとだったろう。
金冠日食はメガネを用意できなくて、荒川の河川敷で、
ヴィデオカメラのモニター越しにその通過時間をくっきりと観察できたけど、
オリンピックの一体感よりもこちらの方が自分の性に合う。
太陽系の基にある感謝とあきらめ。
年末に東京で出会った、M君やK君の交流で、
モロッコからのミュージッシャンMaalam Seddikや、
オランダからの建築家Charles さん等との小さな交流の中で、
人種、民族、慣習の違いの深さ、またそれを超越する音楽の凄さも体感した。
あげればきりがないたくさんのたくさんの出来事のこの一年。
何が残ったのかこの40年目。
太陽系の有象無象の小生、2010年末のため息ほどの感慨。
仰ぐ希望は、来る年もまた、
表現らしきを巡る厳しくも至福の刻々を誰彼とわかちあいたし。
初夏の河川敷にて金冠日食を観た、太陽系の片隅の消え入るようなちっぽけな至福感。
それは、1955年前後の小樽の子供たちと分ちあった「約束らしき」からは、
どれほどにも進歩はしていない。
でもその「約束らしき」を体現できたらという妄想と無邪気の歌らしき、
またくる年もひたすらに歌いたし。
来る年に祈ります。みなさまも良いお年を。

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