あがた森魚の今週の日記より紹介してまいります
天使ぢゃ!!
多摩市永山の映画祭第22回「TAMA CINEMA FORUM」にて、
35mmフィルムでの『僕は天使ぢゃないよ』の上映、そしてライヴ。
東京でのフィルムでの上映は、BOX東中野で、
森達也の上映イベントで上映されたのが最後だったか?
あれから10年近い?
やっぱり、『僕天』は何十年たってみても緊張する。
『僕は天使ぢゃないよ』に反映されている若気の至りや
向こう見ずな創作衝動や「何でもやってやろう」的な冒険心は
僕のここまでの人生を凝縮して象徴してあまりある作品。
だから何度みても冷や汗がでるのです。
今日は、夕方4時には会場に入ってサウンドチェック。
フィルムのテスト上映などをし、5時半から上映開始。
7時から東谷健司さんとライヴ。
ライヴ終了が8時。
楽曲は、港のロキシー、冬のサナトリウム、サルビアの花
新曲の川口元郷122号線、赤色エレジー、
そしてアンコールで佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど、の5曲。
どうも、いつもとは様子が違う。
妙な緊張感で、初恋の人に会ったような感じ。
ああ、恐いのだけど、もう一度合いたかった誰かに出会ってしまったような
不思議な緊張感と高揚感とでもいうのか。
いつもにもまして、なりふりかまわず、
観客に率直に歌う。
照れなのか、居直りなのか、
でも、歌いおえて、この緊張感は、自分にある種の老成することを許さない
不思議な緊張感は、素晴らしいと思えた。
折にふれ、こういうことも大事なんだな。
客席は、結構人が埋まっていて、
同世代から若者たちまで、客層も多岐にわたり、
映画祭実行委員長・水野さんらも熱心に観てくれた。
終演後、小田急永山駅の近くで食事をし、しばし歓談し、おひらき。
80年代に「プラネッツ・アーベント」の
天体観測のナレーションをしてくれた、
田中ちひろさんが突然来てくれた。
よくおぼえていてくれて来てくれた、
当時の思い出話、そんなたわいない出来事が、
件のグナワミュージックを聞きにいった、
モロッコ旅行の話などで盛り上がる。
まさに宇宙の片隅のつかの間の一夜の再会。
ここのところは、そういう日々の出来事を書くことで精一杯だが、
日々、充実している。
明日はいよいよ
昼間、青梅宿アートフェスティバルで2本、
夜は、吉祥寺にて「ややテクノでもっとデラックス」と必殺の3本立。
贅沢だなぁ。
きっと楽しいはず。