あがた森魚の今週の日記より紹介してまいります
口をついてでた。
今日は群馬県桐生市のぷろむなーどにてライヴ。
7時半開演で、10時すぎ終了。
今日は、ギター1本で弾き語りだったが、
約2時間半のフルステージを精魂こめて歌うと
やはり気持ちがいい。達成感がある。
(精魂こめてとは、やんちゃも含めて、あなたに歌うということだよ。)
やはりこれを週5日ぐらいやるような時もないと、
すべてがなにか不完全燃焼な気持ちになってくる。
今日の桐生の立ち見が出て、50人ぐらいいただろうか。
しっかり聞いてくれる感じと、ノリのある感じ。
あがたの音楽世界への親密度と一体感。それもこれも今日の客達から強く感じ取れた。
この桐生には、有鄰館という酒蔵があって、
10年近く前に、矢野誠さんや武川雅寛さんと一緒にライヴをやった。
以来何度かこの街には来ているが、本当にこの街は客層のエネルギーがいい。
絹織物で栄えたこの街全体が、20世紀のまさに近代化遺産そのもので、
かつての賑わいや近代の混沌が今でも伝わってくる。
棟方志功の壁画のある「芭蕉」や、
アーティスト達の集う無鄰館なども訪ねてみたが、
一夜にしては成立しない都市全体が持つ深み、また残影がある。
『ぐすぺり』からも2曲歌い、
『あがた森魚ベスト 大航海40年史』からも数曲歌う。気持ちよく歌えた。
こういう時というのは、歌いながら、昨日、今日の出来事、
過去の出来事、未来へのイマジネーションなどが、意識の中を乱反射する。
いろいろな人や現象が行き来し、思いが高ぶり、とっさにアドリブの歌が、
どさくさに口をついてでてきて驚いた。
この歌い方は、はからずも新発見だったかもしれない。
(たかだか)そんな一夜ではあっても、やっぱり、ありがとう。